指圧の効果的なやり方の説明(指圧棒などの器具を使うときも有効です)
この記事は『なぜ指圧が効くのか』と『指圧の効果的な方法』を科学的に説明しています。
1. なぜ指で押すと筋肉がやわらかくなるのか?
2. 一番効果的な『からだの押し方』の説明
3. まとめとワンポイント
・この記事を書いている僕は治療家歴14年。整体・整骨院経営。専門学校その他で手技講師として活動しています。
指圧の効果的なやり方の説明
1. なぜ指で押すと筋肉がやわらかくなるのか?
「なんだか体が固まってるなぁ」と感じた時に、多くの人が (ストレッチをしようかな) と考えると思います。
犬や猫などの動物も、寝ておきた後は体が固まっているので、のび(ストレッチ)をします。
じつはこの『ストレッチ』と『指圧』は同じことなのです。
ふくらはぎの筋肉でたとえていきます。ふくらはぎの筋肉は膝裏から踵までつながっています。
筋肉は繊維のつながりで出来ています。ちょうどヒモみたいな形状です。
ストレッチは膝裏から踵までの距離が長くなるような形を作ることで筋繊維をのばしています。
いっぽう指圧はピンと張りつめてまっすぐな筋肉を押すことで曲線を作り距離を長くし筋線維をのばしています。
どちらも距離をかせいで長くしようとしているのです。
指圧というのは押すことによりストレッチ状態を作り出しているわけです。
※ 厳密にいうと指圧の方は筋繊維を局所的に伸ばしています。
腰も同じことです。
ゴムヒモで例えるとこんな感じです。
2. 一番効果的な『からだの押し方』の説明
指圧のやり方は二種類あります。
『特定の筋肉を伸ばしたい』のなら、一か所を長く押しつづける(2~3分)やり方が効果的です。
『全身の血行をよくしてスッキリさせたり』のなら、一か所にとどまらず(2秒位押したら)どんどん移動していくやり方が効果的です。
一か所を長く押しつづける(2~3分)やり方
まず固くなっている筋肉を見つけ、手の親指または指圧棒やテニスボールなどの器具で押します。
押しはじめは「痛い!」と感じるかもしれません。しかしそのまま押し続け2~3分ほどたつと「なんだかだんだん痛くなくなってきたなぁ」「麻痺してきたのかな」と感じます。あまり痛くなくなってきます。
これは筋肉がしっかりとのびて柔らかくなったからおきる現象です。
やっていることはストレッチの体勢をとって2~3分のばしたのと同じことです。
理屈としてはストレッチの種類の一つである『静的ストレッチ』と同じです。一か所の筋肉にフォーカスし長めにやります。
これは他人を押してあげる場合も、自分自身を押す場合も同じです。
一か所にとどまらず(2秒位押したら)どんどん移動していくやり方
これは一般的なマッサージ店などでよくやられている方法です。
一か所をじっくりやるのではなく、どんどん移動しながら全身を押していきます。
全身の血行改善などが見込めます。全体的にゆるやかにほぐれます。
しかし強く固まりすぎてしまった筋肉をしっかりのばす・治すのには向いていません。
これはどちらかというと『動的ストレッチ』に近いやり方と言えるでしょう。
まとめとワンポイント
『痛みがあるほどヒドイ』場合には一か所を長く押しつづける(2~3分)やり方がよいでしょう。
『リラックスしたい、疲れをとりたい』場合には一か所にとどまらず(2秒位押したら)どんどん移動していくやり方がよいです。
【注意1】指圧は炎症反応がある場所にはやってはいけません。(ストレッチも炎症時はダメです)
【注意2】指圧はどこでもやっていい訳ではありません。おかしな所をおかしな方法でやり過ぎると逆に筋肉などを傷めてしまう場合もあります。よく読んで理解してから行って下さい。