膝が痛い!【お皿の上】の痛みの自宅での治療法

0:00前置き 3:26今回の説明 5:07治し方

9:31治ったかどうか検査 11:55アドバイス



膝が痛い!【お皿の上】の痛みの治療法

膝が痛む箇所

この記事は 膝のお皿の上が痛く なっている方へむけ、自宅で自分で今すぐ改善していける方法を説明しています。

■もくじ

1. 痛みがでる場所の『まわりのメカニズム』の説明

2. 一人でできる一番効果的な『治し方』の説明

3. まとめとワンポイント

4. さらに細かく知りたい方へ (読まなくてもOKです)

・この記事を書いている僕は治療家歴14年。整体・整骨院経営。専門学校その他で手技講師として活動しています。



1. 痛みがでる場所の『まわりのメカニズム』の説明

走ったり歩いたりする時には膝を曲げたり伸ばしたりします。この曲げたり伸ばしたりする時にあしの前の筋肉 (大腿四頭筋だいたいしとうきん)は、ちぢんだり伸びたりしています。

膝には『お皿』と呼ばれる骨があり、これは滑車かっしゃのような働きをしています。 (筋肉がロープで、お皿が車輪です) 

【膝のお皿の上部の痛み】の説明図

お皿があることでスムーズに大きな力が出しやすいような人体の設計になっています。この滑車の動きが悪くなってしまうと、お皿の上の部分に痛みが出やすくなります。



レントゲンなどに異常が無い』のにお皿のすぐ上に痛みが生じるのは、次に説明する〈原因〉からきていることが多いです。



2. 一人でできる一番効果的な『治し方』の説明

〈原因①〉お皿まわりのスジが炎症をおこしている。

何かのひょうしにスジの所が炎症をおこしてしまうことがあります。

この場合は冷やして炎症を治さないといけません。

炎
『炎症反応』というのは、体の中で火事がおきている状態です。

【治し方①】

まず自宅で横になって寝てみて下さい。

まったく動かない安静状態でも『ズキズキ』とか『ドクンドクン』などと、うずいていたら炎症があります。

ビニール袋に氷と水を入れて(氷枕などでも良いです)、それをタオルで包み、お皿の上を20分間ほど冷やします。 

アイシングの詳しい説明はこちら

アイシング






〈原因②〉筋肉がこわばってかたくなり、柔軟性が無くなってしまっている。

大腿四頭筋はお皿を包みつつスネにまで伸びています。筋肉がこわばって硬くなるとお皿の動きも鈍くなってしまいます。

この場合はストレッチをして筋肉をほぐして柔軟な状態を作っていくことが必要です。

【治し方②】(炎症がある場合はやめておきます)

四頭筋ストレッチ

片手でイスや壁につかまり、もう片方の手で足首をもって、のばします。

あまり強い力でおこなわず優しめにのばします。 じっと止まったまま三分間ほどのばします。

暇になるのでテレビを見たりしながらやるのがよいでしょう。

※ストレッチのくわしい説明についてはこちら







〈原因③〉お皿の周辺のスジ(軟部組織)が、何かのひょうしに強い収縮をおこしている。

体は筋肉や骨以外にも、一般に『スジ』と呼ばれる、ケン靭帯ジンタイ軟部組織ナンブソシキがあります。

これらが強く収縮をしてしまい結果的に滑車構造をロックし、痛みや違和感を生じることがあります。

(肩甲骨のまわりがこわばったら『肩甲骨はがし』が必要なように、膝のお皿まわりがこわばったら『お皿はがし』が必要なのです)

この『スジ』の強い収縮をとるにはちょっとしたコツがあります。


【治し方③】(炎症があっても行って大丈夫です)

背もたれ

まず床に座ります。

この時に背もたれがある所にしましょう。背もたれが無いと大腿四頭筋に力がはいってしまいます。(人間の体は座る時もバランスを保つのに足の力も使っています)

大腿四頭筋に力が入ってしまっていると、うまく施術が出来ません。

膝蓋骨上部の軟部組織の治療図

① 足の力をぬいて、お皿の下に手を当てます。

② 手でお皿を手前に引きます。

  足の力を抜いたまま、約90秒間ほど一定の圧で引き続けます。

③ 90秒たったらゆっくりとお皿の位置を元に戻します。

 深呼吸して終了です。

※ これで何故よくなるのかの説明はこちら 【筋肉・スジの異常なちぢまり】がとれるメカニズム



3. まとめワンポイント

まずは炎症があるかないかを確認してみましょう。

その後は【治し方②③】を試してみて下さい。





4. さらに細かく知りたい方へ (読まなくてもOKです)

膝にはいくつかの靭帯があります。

前後の十字靭帯や外側側副靭帯・内側側副靭帯・膝蓋靭帯などです。

名前がついている有名な靭帯以外にも超マイナーな靭帯・腱や名も無き軟部組織達も有名な部分に負けじと頑張って膝機構を支えています。

膝蓋骨のまわりにもそう言った軟部組織群があります。これらが何かの大きな衝撃を受ける、もしくは弱くても持続的な衝撃を受け続けると『過緊張』を生じてしまい膝の『あそび』がなくなり、正常でスムーズな膝の運動機能がさまたげられてしまいます。

今回の記事では膝の上の部分のみを例に出して説明したのですが、膝の横や斜め横の四頭筋に関与しない部分の軟部組織でも同じようなことは起こります。(そうなってくると膝蓋骨の可動域が減少し、力を抜いた時にも動きが悪くなります。その場合は【治し方③】を横方向へ向けてやってみて下さい)


膝はとても複雑なバランスで成り立っています。軟骨のすり減りのような器質的な破壊がなくてもこのようなちょっとした条件によって不具合は生じてしまうのです。







2021年2月5日膝まわりの痛み【治療法】