腰が痛い!【腰全体の痛み】の自宅治療法とストレッチ
腰が痛い!【腰全体の痛み】の自宅治療法
この記事は 腰全体が痛く・おもだるくなっている 方へむけ、自宅で自分で今すぐ改善していける方法を説明しています。
1. 痛くおもだるい場所の『まわりのメカニズム』の説明
2. 一人でできる一番効果的な『治し方』の説明
3. まとめとワンポイント
4. さらに細かく知りたい方へ (読まなくてもOKです)
・この記事を書いている僕は治療家歴14年。整体・整骨院経営。専門学校その他で手技講師として活動しています。
1. 痛くおもだるい場所の『まわりのメカニズム』の説明
お腹の筋肉はいくつもの層になっています。
表面に近い浅い層の筋肉(アウターマッスル)もあれば、奥の方の深い層の筋肉(インナーマッスル)もあります。
トレーニングすると六つに割れて『シックスパック』と言われる筋肉は浅い層にあります。
この筋肉は筋膜によってサイドの筋肉とつながり、サイドの筋肉は腰の方までのびて骨盤にくっついています。
お腹の筋肉で最も深い層にある筋肉は少し変わっていて、上下にまっすぐのびているわけではありません。
腰の骨からお腹にかけて3D的に前後につながっています。(内臓の間を通っています)
これらの筋肉がしっかりと頑張ってくれているおかげで私達は体をささえ動かすことが出来るのです。
体の不調が治らない時はまず科学的な検査をすることが大切です。
しかしレントゲンやMRIなどの検査をしても 腰椎や内臓などに異常がないのに 腰が痛い・おもだるいのが取れない場合は、次に説明する〈原因〉を考える必要があります。
2. 一人でできる一番効果的な『治し方』の説明
〈原因①〉筋肉が炎症をおこしている。
何かのひょうしに腰の筋肉が炎症をおこしてしまうことがあります。
この場合は冷やして炎症を治さないといけません。
【治し方①】
まず自宅で横になって寝てみて下さい。
まったく動かない安静状態でも『ズキズキ』とか『ドクンドクン』などと、うずいていたら炎症があります。
ビニール袋に氷と水を入れて(氷枕などでも良いです)、それをタオルで包み、腰を20分間ほど冷やします。
〈原因②〉 お腹の筋肉がこわばって硬くなり、つながっている腰までが引っぱられている。
体を支えているのは腰の筋肉だけではありません。お腹の筋肉 (腹筋) も知らず知らずのうちにかなり使っています。
日中立ったり座ったりして活動しているあいだ筋肉はずっと働いています。それを何時間も何日も何カ月も続けていると筋肉が疲れこわばります。
お腹の筋肉が硬くこわばり ちぢまって柔軟性がなくなると、腰の骨などをひっぱってしまいます。
悪くなっているのはお腹の筋肉なのに、痛みは腰に感じます。
腰が辛い場合は『腰の筋肉』をほぐしてあげることも重要ですが、『お腹』もほぐしてあげなければいけません。
【治し方②】(腰に炎症があっても行って大丈夫です)
まずはお腹の浅層の筋肉をほぐします。
お腹を押していくのですが、内臓に負担をかけるほどではないので心配しすぎなくても大丈夫です。
しかしもしもの事があるので『高血圧・糖尿・高脂血症などで血管が弱っている方』『内臓に異常がある方』『途中で違和感が出た方』は無理をしないで下さい。
①テニスボールとペットボトルを準備します。(体重50キロほどの人は2リットル・体重70キロの人は3リットル・体重90キロの人は4リットルを目安にして下さい)
②テニスボールをお腹の上に置いて、さらにその上にペットボトルを乗せます。
③左手でペットボトルを支え、そのまま3分ほど待ちます。(④暇なのでスマホやテレビを見ていてもOKです)
テニスボールで押す位置はこのあたりです●
一か所でも効果ありますが、全部やると筋肉がとてもやわらぎます。
あくまで筋肉(筋膜)を押してほぐす治療なので肋骨などの骨は押しません。おヘソも押しません。
※押すと『ドクンドクン』と強く脈うつ場所があります。これは大動脈があるところなので避けます。(軽くトクントクンなら大丈夫です)
【治し方③】(腰に炎症があっても行って大丈夫です)
つぎはストレッチによって、お腹の深層の筋肉をほぐします。
このストレッチは少し難しいです。形を間違えると腰椎に負担がかかってしまうので、ヘルニアや分離症・すべり症・狭窄症などがある方は無理をしないで下さい。
写真は右のお腹の深部をのばしています。
両手をついて左足をまげ、右のお腹をのばします。
この時にお腹や腰横がひっぱられる感覚があれば上手く出来ています。逆に腰骨に圧迫感がある場合は間違えています。体勢を微調整してお腹の横に効くようにして下さい。
無理をせず弱めにのばし2~3分ほど待ったら体をまっすぐにもどします。
このようにまっすぐに腰をのばすやり方ではいけません。
まっすぐに反ってしまうと腰骨に負担がかかり過ぎてしまい痛めます。腰骨に圧迫がかかるのを避けて深層筋のみをストレッチしなければいけません。
そのために『体幹の捻り』が入っているのです。
3. まとめとワンポイント
【治し方②】を一見すると「お腹には内臓があるからあんまり押すのはよくないんじゃないか?」と感じるかもしれません。
もちろん重すぎる物を乗せてはいけないのですが、無理のない範囲でおこなえば内臓に負担をかけずに浅層の筋肉のコリをほぐすことが出来ます。
実際のところ安全そうに見える【治し方③】のストレッチの方が、うまくやらないと痛める可能性が高いです。
4. さらに細かく知りたい方へ (読まなくてもOKです)
『腹筋は硬いほうが良い』ようなイメージがあるかもしれません。
しかし筋肉というのは 力を抜いた時には柔らかく、力を入れた時にはすごく硬くなる のが理想です。
脂肪でブヨブヨと柔らかいのではなく、しっかりしているけれど柔軟性がある筋肉 を目指して下さい。
筋トレのみをしていてストレッチ・ほぐしが足らないと 力を抜いた時もこわばっている質の悪い筋肉 になってしまい『力は強いけど故障が多い人』になってしまいます。